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動物病院+トリミング
神戸三宮元町にあるACSです。

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2022.05.24

ACS letter 2022.5 ㊶犬猫の国をまたぐ移動

こんにちは、スタッフの辻本です。

 

気温も暖かくなりツツジが綺麗な時期となってきましたが、ワンちゃん・ネコちゃんとご家族の方々はいかがお過ごしでしょうか。

 

今回のテーマは犬猫の国をまたぐ移動についてです。

 

私たち人間が旅行や引っ越しで外国に入国する場合、もしくは日本へ帰国する場合はパスポートがあれば大体の場合は手続きがスムーズに行くかと思います。

しかし、動物が外国へ入国する場合、または日本へ入国する場合は検査や手続きが必要となります。

中には時間を要するものもありますのでワンちゃんネコちゃんが海外引越しなどに伴う移動が必要な場合は時間の余裕を持って準備をしましょう。

 

 

それでは具体的にどういった検査が必要になるのかを見ていきましょう。

 

輸出入の相手国によって入国の条件が違ってきますので、必ず相手国の動物検疫機関等にどのような書類や検査が必要なのか、入国条件を確認しましょう。

 

ここでは必要となる可能性のある手続きや検査について日本入国の際に必要な条件を例に大切なポイントをみていきましょう。

 

 

 

1)マイクロチップによる個体識別

ほとんどの場合でマイクロチップによる個体識別は必須となりますので、マイクロチップを埋め込んだ日などが記載されている証明書や登録書を準備しておくと良いかと思います。 日本に入国する際は国際標準規格(ISO)11784及び11785に適合するマイクロチップと指定されています。

 

 

 

2)狂犬病予防注射

マイクロチップ装着後に狂犬病の予防注射が必要となります。

狂犬病の抗体価検査の前までに2回の接種を義務付けている場合があります。

例えば日本に犬を輸入する場合、まず、狂犬病が発生していないと指定されている地域からの入国なのか、それ以外の地域かによって手続きが変わってきます。

指定地域以外のすべての国・地域から輸入する場合は2回の接種が必要で、1回目の予防注射は生後91日齢以降(生まれた日を0日目とする)でマイクロチップの埋め込み後(同日可)としています。

2回目の予防注射は1回目の予防注射から30日以上(接種日を0日目とする)の間隔をあけて1回目の予防注射の有効免疫期間内であること。また、注射液の種類の指定があり不活化ワクチンまたは組み換え型ワクチンとしています。

生ワクチンは認められません。

 

 

3)狂犬病抗体価検査

狂犬病の発生のない国から発生のない国への移動の場合は抗体価検査は免除される場合があるかもしれませんが、必要な場合は2回目の狂犬病予防注射の後に採血をし、体の中に狂犬病に対する十分な抗体がある事を証明しなければいけません。そのため、採血した血液を決められた機関へ郵送し狂犬病抗体価が十分である証明が必要となります。(大抵の場合は0.5IU /ml以上である事と定められています)

なお、この抗体価検査結果は狂犬病予防注射の有効期限内(日本での狂犬病予防注射の有効期限 は1年)に追加接種をしていれば採血日から2年間有効と日本ではされています。

 

 

 

 4)輸出前待機期間

抗体価検査の後に輸入国到着日まで待機期間が必要な場合があります。日本の場合は指定地域以外の全ての国・地域から輸入する場合、抗体価検査の採血をした国で180日間以上の待機(採血日を0日目とする)が必要となります。これは予防注射により免疫を獲得する以前に狂犬病に感染していないことを確認するためであり、180日間以上待機せずに日本に到着した場合は動物検疫所で満たない日数の間を過ごすことになります。

 

 

 

5)その他の予防(混合ワクチン、ノミダニ、駆虫薬)

相手国によっては狂犬病以外の混合ワクチンを接種していることを条件に入れている場合、もしくは推奨している場合があります。

特にレプトスピラ症については出国前の健康診断でレプトスピラ症の症状が見られないことが条件となる場合がありますので、犬の輸出入する可能性がある場合は普段からレプトスピラ症を含んだ混合ワクチンを選ばれた方が良いかもしれません。また、国や地域によっては駆虫薬が必須となっている場合もあります。

 

 

 

6)出国前健康診断

出国前の獣医師による健康診断書では狂犬病やレプトスピラ症など症状が見られないこと、また他の感染症にかかっていない事などが検査されます。

 

例)狂犬病の発生がないと指定されている地域以外から日本へ輸入する場合

参照<https://www.maff.go.jp/aqs/animal/dog/import-other.html#>

 

 

このように動物の移動にはたくさんの手続きが必要となる場合があります。

 

特に待機期間が定められている場合は余裕を持って出国の手続きをしましょう。

 

また、狂犬病予防注射、混合ワクチン、ノミ・ダニやフィラリアのお薬、内部寄生虫のための駆除薬などの予防薬は普段から期限内に追加接種をし、いつ接種したかなどを把握しておくと良いと思います。

 

 

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